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北米の除雪事情

1997年1月13日から1月23日
米国中西部
小倉 正信

北米では高速道路・一般道路問わず、冬季間凍結する可能性のある場所は除雪しながら、塩と砂とをミックスしたものを道路がほぼ黒くなるまでまきま す。かなり多量です。特に交差点付近・横断歩道付近・坂道・カーブ付近は特に念入りに撒きます。ロードヒーティングは有りません。私は以前から、北米でど んな場所・時間帯・気温・降雪量においても凍結している道路(圧雪・アイスバーン)を見た事はありません。もちろんブラックアイスバーンなどありません。 外気温がマイナス20℃までは、いたる所で道路が水分で濡れていたり、雪があっても黒くグチャグチャしているところは、日本人、北海道の人間には妙な光景 に映ります。

また歩道・駐車場・広場も当然同じ状態です。自宅へのアプローチ通路・店舗・ビルディングの共用部分等は例外でなくみずから自身で除雪し、塩・砂を撒いています。
北米の法律では不注意であっても道路・通路等を凍結させていて事故があった場合、あっその管理者に責任があるという判例が多数でています。その為に多数の人々が賠償保険に加入しています。
米国では、住宅街の歩道は建物所有者の土地に含まれており、その管理責任は市条例(Public Responsibility)により建物所有者にあります。従ってこの理由で角地を嫌う人までいるのが米国です。日本では信じられない事です。

自動車のタイヤは冬期間・降雪・凍結する地域においてはオールシーズンタイヤを使います。日本のようにスタッドレスタイヤ・スノータイヤはありません。
従って冬・春にタイヤの入れ替えはありません。またタイヤチェーンを塩・砂をまいている道路で使用し、警察に発見されると直ちに車は没収(Impound Car)されます。強烈です。信じられますか?
タイヤチェーンは一部山道でしか使用できません。タイヤチェーンは道路を傷めるからです。凍結道路では、日本道路公団のように滑り止めとして、タイヤチェーンの使用を薦めません。禁止です。また、スパイクタイヤは15年前に姿を消したそうです。

ちなみにタイヤのメーカーのタイヤの保証期間(Maid in Japan含む)は50,000マイル(80,000キロメートル)が一般的です。タイヤの値段によって保証は違いますが、通常25,000マイルから75,000マイルです。
こんなに塩と砂をまいて環境に問題ないのかと、多数の地元の人々に以前からくり返し私は聞いてきましたが、今回も皆、答えはほとんど問題無いと言います。植物にも問題無いと言う事です。沢山まいても芝生や植込みは枯れません。それよりスリップ事故のほうが問題との事です。
道路への影響は塩自体は無いそうですが、舗装面の水分の凍結融解により影響が出るので春になると道路補修工事が至る所で行なわれます。舗装はコンクリート舗装・コンクリート下地アスファルト舗装・アスファルト舗装があります。どれも同じ様に影響が出るそうです。
米国の大学では塩に変わる融雪剤を研究しているそうです。ところでこの塩は塩化カルシウム(CaCl)です。ソルトレークから来るのだと地元の人々は言っています。歩道に使うのは3ミリから5ミリ、車道にはそれより大きな結晶を使うそうです。

歩道にこれ以上大きな結晶を使うと、歩行者の転倒につながるそうです。米国人のエグゼクティブは訴訟に脅えています。ミネアポリス・セントポールエリア(人口300万人、1日車両通行量100万台)で塩の使用量は金額ベースで1年間日本円で約60億円だそうです。
除雪費総額は同じく約400億円と巨額です。除雪と塩・砂の散布は市職員が行い、緊急時に一部業者に発注するとのことです。市職員の夏の仕事は道路維持管 理だそうです。このように塩を多用する為、どの自動車も塩と砂で、真白になっています。洗車をあまりしないので、塩と砂がこびり付いています。ひどい状況 です。靴にも塩と砂が沢山付きます。最近の自動車は防錆処理が優れているから心配ないと、人々は言っています。このような状況の為、北米ではお金持ちは、 冬用の自動車を持っていてそれをスノウビーター(snow beater)と言っています。納得できる
でしょう。

拝啓

私は建設会社の社長で、1956年生まれです。ここ十数年間毎年2回から3回、冬場中心に主にカナダを含む北西部・中西部・北東部を中心として渡米しております。
渡米目的は土木建築技術の研究とパソコンのネットワークシステムの研究です。
ところで、私は日本でスパイクタイヤが使用禁止になってから除雪方法・ロードヒーティングに疑問を持っています。圧雪・アイスバーン・ブラックアイスバーンは北米にはありません。除雪方法は人命に関わることです。
以上は私の報告書です。いつも考えていた事をまとめてみました。
精査の上 対策を至急検討して下さい。

敬具

小倉 正信

1997年4月14日

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